このブログではたまに出没する、亡くなったうちの父親の、
独身の頃の武勇伝が、いくつか残っていて、
先ほどそれをひとつ思い出したので、
書き留めておこうかと思った。
でもこの話は、武勇伝ではなく、ちょっとしんみりなお話。
長身でひょろ長だった父は、その体型に似合わず結構お酒を飲む方で、
独身寮に住んでいた独身の頃は、酔って深夜の帰館に、
たびたび閉め出しを食っていたようだ。
そうすると父は、管理人のご夫婦が飼っていたという
コリーだか、セントバーナードだかの雌犬の、
大きな犬小屋に入って寝ていたそうだ。
犬の方は大変に迷惑そうだったという。
一緒に寝るどころか、犬小屋を父に追い出された形となり、
外で寝ていたこともあったそうだ。
その後父は札幌へと転勤となり、すぐ母と結婚した。
多分私が生まれる前の事だったんだろう。
その雌犬が、管理人さんの退職に伴い、独身寮で飼えなくなり、
北海道へと貰われる事になったらしい。
父と母は、迎えに行ったそうだ。
そうしたら、大きな犬が父に飛びついて大喜びしたという。
「でも、北海道に来て、割とすぐに死んじゃったのよね」
といつも母がその結末を言う。
その話を聴かされる度に、胸がきゅんとなった。
私は子どもの頃に、犬にスカートを引っ張られて以来、
怖くてそばに寄れなかった。
あの頃の犬は、家族からべたべたとした愛情はかけられず、
野外で番犬とし飼われている犬が多かったせいか、
吠え出すと、怖さがおおかみ並の犬がけっこういた。
お家から密かに逃げ出し、のんきに散歩している犬もいた。
その後、何匹の犬におどされて育った事だろう。
吠えられて怖がり、固まってしまう私は、良い鴨だった。
家の中で唯一、犬嫌いな家族だった。
そんな私も今では、犬に触れるようになった。
弟が、もう一匹飼うからと、飼っていた犬を、母の元につれてきた、
ポメラニアンとダックスのミックスの雄犬。
もう彼が来て5年は経ったと思う。
凄い人懐っこくて、知らない人でも何でも、寄ってじゃれ着く。
お陰で私の犬嫌いの壁は、あっという間に崩壊した。
ソファに座っていたら、彼にキスされそうになって、
やめて〜〜と悲鳴をあげて、抵抗して以来、
触れるようになった。
(でも、一瞬で唇を奪われて、犬は満足そうな顔をしていた)
弟がその後飼ったゴールデンの背中にもまたげてしまった。
今は、穏やかな犬が多い。
(でも、昔と同じ状態で外で番犬として飼われている、
埼玉県郊外の、知り合いのお宅の犬には、
流石に近づけなかったな〜〜。
夢中で吠えて、縄を引きずっていている様が恐ろしくて、
100メートルくらい後退してしまった)
犬派、猫派だと、世間ではいろいろと言われている。
でも我が家はもしかしたら、
その北海道で亡くなった雌犬以来、犬にご縁が繋がっているのかも、
とそんなことを、ふとさっき思ったのだった。
ちなみに母は、どっちも派。
子どもの頃、お寺で猫を膝に乗せて遊んでいたらしいし、
犬の方は、どこのうちの犬でも、近寄っては話しかけている。
動物園が大好きだし。
子どもの頃、呆れて近づかなかった私・・・。
今でも、お犬様を飼う自信はまだないです。
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