上野で開催されている、ボストン美術館展へと行ってきました。
私はテレビを殆ど見ないので知りませんでしたが、
NHKの番組でそうとう力を入れていたんですね〜。
ごっちゃまぜ、まがい物が反乱する世の中で、
本当は自分は、そういうものを目にするのがあまり好きでないのだなと、
久々に本物を見て、心がすっと整い落ち着くのを感じました。
その道一筋の達人たちが人生をかけて作ったもの。
茶道のたたずまいにも通じるような、
一本の気の通ったような美術品の数々でした。
私が目を奪われたのは、仏像絵画と彫刻、そしてふすま絵でした。
如意輪観音菩薩像
騎龍弁天
特に仏像彫刻は、ついこの間までいたインド文化の影響を感じ、
興味深かったです。
例えば衣をよく見たら、お坊さんが身につけている
ドーティをもう少し芸術的にしたまでのこと。
お坊さんはドーティの上に腰布を巻きますが、まさにそのスタイル。
弥勒菩薩立像
菩薩立像
そういう眼で見ていたら、だんだん仏像が、
人の姿をとった生身の僧侶に見えてきてしまい、
見ているだけだと失礼にあたると感じて、思わず手を合わせていました。
確か学術的には、頭丁部分が上に盛り上がっているのは、
髪型のためではなく、そういった神様たちの頭部が盛り上がるという、
身体的な特徴だと聞いた事があります。
でも、インドのお坊さんは髪が長いので、上に上げている人もいるので、
それと見間違えてしまいそうです。
そして今回、中谷美紀さんの音声ガイドとは、なかなかやるではないですか。
ではついでに、暗くて静かで涼しく雰囲気が良い、仏像彫刻の間に、
シタールの音楽でも流してくれないかしら、
とそんなことを考えていました。
例えばこんな曲を。
フェノロサと親交のあった岡倉天心は、インドの詩人タゴールや
宗教的指導者 スワミ ヴィヴェーカーナンダとも親交がありました。
この方の彫像も、実物を忠実に映し出していそうで、
頑固一徹そうな感じで、味があってよかったです。
台座に乗っていたので、目の高さよりも大きかったです。
そして、今回のために特別に、
ふすまから外された状態のままだった絵を表装し直したという、
「曽我蕭白の雲龍図」が圧巻でした。
ちょっと浮世絵のような、現代の漫画にも通じるようでもあり。
なんというか、岡本太郎もびっくりなのでは?
渋谷駅の井の頭線構内の所にイミテーションを飾ったら、
元気のない日本のためにも良いのではないでしょうか・・・。
今更ながら、日本文化って質が高いって、なんかエネルギーを貰っちゃいますよ。
でもこの屏風画。
残念ながら8枚中胴体部分の4枚はないということでした。
見つかると良いですね。
(それでも20mくらいありそうでしたけど)
あと、やっぱりさすがだな〜〜〜と思ったのは、尾形光琳で
松島図屏風が大胆で粋なデザインで、改めて京都人の美意識の高さに感心しました。
波のたまゆらが、聴こえてきそう。
どの作品にも都市的な感覚と意匠があふれている
とはwikipediaによるものですが、納得です。展示物が多く、この見応えのある大作は階段を挟んだ2番目の部屋なので、
体力のない方は途中は飛ばした方が懸命です。
この展覧会、10日までですがお勧めです。
(午前中は、30分待ちでものすごく混んでいました)
私も、もう一度見たいくらいです。
Tokyo National Museum Special exhibition / Ueno Park at Tokyo
Japanese Masterpieces from the Museum of Fine Arts, Boston